今回は シャンプーやトリートメント についてのお話です 。
シャンプーやトリートメントの良し悪しをどこで判断されていますか?
多くの方が使った時の手触りの良さで決めていると思います。
しかし、手触りの良いシャンプー=良いシャンプーなのか、といわれるとそうではありません。
ざっくりいってしまうとシャンプー・トリートメントの手触りの良さは皮膜(コーティング)の効果によるものです。
栄養成分や補修効果で手触りが良くなっているわけではありません。
被膜は髪のダメージに応じて必要になりますが、余分な被膜はダメージの原因にもなります。
適切なケアを行うためには髪のダメージがどうなっているかを把握することが大切です。
髪のダメージを把握するためにも、手触りが劇的に改善するようなシャンプー・トリートメントは使うべきではありません。
それでは詳しくお伝えしていきます。
手触りの良さの正体
手触りの良さは皮膜(コーティング)の効果
1回の使用で手触りが改善する成分は皮膜=コーティングの成分です。内部が補修されたたわけでも、髪のダメージがなくなったわけでもありません。
使ってみて手触りの悪いシャンプーはリピートしませんよね?
ですから手触りを良くするためにシリコンオイルや植物オイル、ポリマーなどを多く入れる傾向にあります。
特に市販の安価な製品では洗浄成分の強さを隠すため皮膜成分を多く入れる傾向にあります。
美容師も知らない皮膜「コアセルベート」
皮膜はシリコンや植物オイルだけではありません。
シャンプーにはコアセルベーションという、すすぎ始めたときにコンディショニング成分が働くしくみがあり、洗浄成分である界面活性剤と、カチオン性ポリマーがすすぎの際コアセルベートという被膜を形成します。
コアセルベーション・・・ 働くしくみの名前
コアセルベート・・・・・生成された皮膜の名前
シャンプーを水で薄めて時間が経つと下に白く濁った沈殿物ができているのを見たことありませんか?まさにあれがコアセルベートです。
コアセルベート はシャンプーやすすぎの際の摩擦から髪を護る為になくてはならない仕組みです 。
シリコンや植物オイルもコアセルベートも全てがダメですよ、というわけではなく髪の状態によっては必要になります。
皮膜がなぜダメージになるのか
なくてはならないコアセルベートもシリコンや植物オイルも、量が多いとビルドアップという現象を引き起こします。
ビルドアップとは皮膜がどんどん蓄積し厚みを増していくことです。
ビルドアップした被膜はベタツキ感、ゴワつきがでてくるため見た目も手触りもよくありません。
それだけならまだ良いですが、剥がれる際キューティクルも一緒に剥がれてしまうことがあります。
さらに美容室で受けたカラーやパーマ等の薬剤の残留を助長するためダメージに繋がります。
シャンプーのあれこれ
シャンプーは基本的に髪を痛めるもの。
皮膜の話からはそれますが、シャンプーは基本的に髪を痛めるものだとご存知ですか?
どんなに優しいシャンプーでも界面活性剤が入っています。
界面活性剤は汚れを落とすためになくてはならないものですが髪にはダメージの元です。
かといって使わないわけにはいかないので、できるだけ洗浄力の優しいものを使いましょうとなるわけです。
洗浄力の優しい界面活性剤といえばアミノ酸系ですが、アミノ酸系は肌なじみがよく軽くすすいだだけでは流しきれません。
肌トラブル、髪のダメージに繋がるのでしっかりすすぎましょう。
アミノ酸系=安心ではない
洗浄成分が強ければ皮膜成分が多い傾向にあるので避けたいですよね?
しかし「アミノ酸系の優しいシャンプーを使っているから大丈夫」というわけでもないのです。
「アミノ酸系で肌にも髪にも優しい」と良く宣伝されていますが、皮膜成分で必要以上に手触りを良くしている製品はたくさんあります。
メーカーからすれば手触りが良くないと売れないのですから仕方ありません。
成分で判断?手触りで判断?
成分表だけでは判断できない
手触りで判断できないなら成分を見て判断するのか、、というとそれも違います。(参考にはなります、まったく当てにならないというわけではありません。)
裏の成分表で同じ成分を使っていたとしても、配合比率が違えば肌や髪への刺激、被膜形成の強さは全く違います。
髪に良いとされる成分が一滴しか入っていないのか、たくさん入っているのかもわかりません。
ですから使ってみないとわからないんです。(ラウレス硫酸等の高級アルコール系が主成分のシャンプーは避けて下さい。そこは成分を見て判断しましょう)
どのタイミングで判断してますか?
使って判断するとしたらどこで判断するのでしょうか、多くの方が、すすいでる時の絡まり具合や洗い上がりの手触りで判断されますよね?
どんなにいいシャンプーだと言われても、使って数日の使い心地がギシギシだったら使いませんよね?
なのでほとんどの製品は最初の使い心地が良いように設計されています。
そして使い心地の良いシャンプー・トリートメントの多くが強い被膜形成を促し髪のダメージを加速させる髪に良くないものなんです。
ですから手触りで判断してはいけないのです。
「髪が傷んでいるから」、、、と、手触りの良いシャンプートリートメントを信じてケアした結果、髪にダメージを与えています。
手触りで判断するとすれば
タオルで髪を拭いた後、手で髪を拭ってみて下さい。
手がヌルついたり、ベタついていた場合、髪の毛表面に何らかの成分が沢山残っています。
もっとしっかりすすいでみて下さい。
しっかりすすいでもダメならそのシャンプー・トリートメントはやめておきましょう。
ケアのあれこれ
バランスが大事
最初にお伝えしたように被膜が強すぎるとダメージに繋がります。
しかしダメージしてキューティクルが剥がれてしまった部分には被膜で覆い乾燥や乾燥から守る事も必要です。
シャンプー・トリートメントの被膜は少なすぎてもダメだし多くてもダメなんです、要するにバランスです。
髪のダメージは根本か毛先か、カラーをした回数によっても大きく違います。
ダメージ部分にあわせれば不要な被膜で健康な髪をダメージさせることに繋がり、健康な部分に合わせればダメージ部分に必要なケアが行き届かないといった状態になります。
じゃあどうしたらいいの?となりますが、傷んでいるのは基本的に中間~毛先です、「必要なケアは後から足す」が正しい考え方です。
必要なケアはあとから足そう
STEP1 シャンプー
シャンプー自体に求められるのは洗浄成分が肌にあっていて(基本弱めで良い)、油分は少な目、コアセルベートを作りすぎない事です。
そしてどんなに良いシャンプーでもしっかりすすぐことが大事です。
すすいだ時に多少ギシつくなど手触りが悪くても、それが良し悪しではありません。それは髪が傷んでいる証拠、どこが傷んでいるのかをしっかり認識しましょう。←ここ大事です
STEP2 トリートメント
そしてその傷んだ部分にトリートメントをしてあげましょう。健康な根本~中間に余分な被膜は必要ありません。
トリートメントもしっかりすすいでしまって大丈夫です。タオルドライの後に手がベタつかないようにしましょう。
STEP3 まとまりが悪いた感じたときは
しっかりすすぐと乾かした時にまとまりが悪い、広がる、パサつくと感じたらその部分にだけアウトバス系の洗い流さないトリートメントをつけてあげると良いでしょう。
このような方法であれば健康な髪に対して余分な皮膜=ダメージを与えず、なおかつダメージが多い毛先に対して適切なケアができます。
まとめ
いかがでしょうか、手触りの良さで判断してはいけない理由をおわかりいただけましたか?
シャンプーのすすぎで引っかかりを感じてもいいんです。引っかかりを感じた所から毛先がダメージケアが必要な部分です。
余分な被膜はダメージの元、手触りの良さだけでシャンプートリートメントを判断してはいけません。ご自身の髪の状況をしっかり判断してバランスの良い適切なケアを心がけましょう。
あとがき
一部のメーカーでは皮膜が少なく髪のために本当にいいシャンプーを販売していたりしたんです。
でも売れませんでした、、、、
それはなぜか、、、使い始めの手触りが悪く成果が出るまで使い続けよう!となった人がいなかったからです。
「最初は手触りを悪く感じる、でも髪はキレイになっていきますよ」と一言あれば、もっと売れたのかもしれませんね。
コメント