あなたは髪のダメージ気になりませんか?
カラーやパーマなどおしゃれを楽しむ上で髪が傷んでしまうことは少なからずありますよね。
ですが髪が傷む原因はカラーやパーマ以外にもあります。
・年齢を重ねると髪が細くなるから仕方がない
・カラーを繰り返しているから傷むのは当たり前
と思っている方も普段のケアを少し気を遣うだけでダメージを最低限に抑えることができます。
実は生活している上で知らない間に自ら髪にダメージを与えている場合が多いんです。
「でもトリートメントしてたらダメージは修復されるんじゃないの?」と思われるかもしれませんが、それは一番の勘違いです!
実はトリーメントはやりすぎると逆効果になる場合があります。
では本当のヘアケアはどのように行えば良いのでしょうか。
今回は
- 傷んだ髪には何が起きているのか
- 何が原因で髪は傷んでしまうのか、その解決方法
- トリートメントで髪は修復しない
を美容師目線でわかりやすく解説します。
やはり髪で人の印象はガラッと変わります。
髪になやみを抱えている方
きれいな髪をキープしたい方
強い髪を育てたい方
そんな方は是非参考にしてみてください。
傷んだ髪にはどんなことが起こっているの?
傷んでいる髪は実際どうなって傷んでしまっているのでしょうか。
原因を知る前に髪の構造や成分を知っていただきたいので順を追って説明していきます。
髪の構造を知ろう!
まず髪は爪と同じタンパク質でできた死んだ細胞の塊です。
ですが、髪一本全部が同じ成分ではないんです。
髪は3つの層に分かれていて、海苔巻きのような状態になっています。
通常健康毛はこの状態を維持しています。
皆さんがよく耳にするキューティクルは髪の水分を閉じ込めて髪にハリや艶をあたえる働きをしています。
そして、キューティクルの内側にあるコルテックスはタンパク質で構成されており、髪に弾力を生みます。
髪の8割はタンパク質でできていて、このコルテックスが破壊されると髪に大きなダメージに繋がります。
髪はケラチンでできていると言われていますが、このタンパク質がケラチンです。
髪にハリ・ツヤ・しなやかさの3つが揃うにはキューティクルとコルテックスにしっかり栄養が行き渡らなければいけません。
傷んでいる髪の状態は?
先程髪の通常時の説明をしましたが、傷んでいる場合はどうなのでしょうか?
髪が傷むというのはキューティクルが剥がれて中のコルテックスに空洞ができ、水分調整がうまくできない状態です。
キューティクルはうろこ状に8枚くらいの鱗が重なってできています。
その鱗をくっつけているのが皮脂や水分です。
皮脂や水分が減少するとキューティクルが浮き剥がれやすい状態になります。
この鱗が剥がれてしまうと中にあるコルテックスから必要な水分・タンパク質が流れ出てしまいます。
すると髪はハリ・ツヤ・弾力を失って、髪が変形し表面に凹凸ができるため絡まりやすくなったり引っかかりがします。
髪に問題がある場合はこのような事が起きていると考えてください。
じゃあ、キューティクルを傷つけないようにするにはどうするの?
と思いますよね。
ではこれから原因と解決方法を順を追って説明しますね。
日常生活で髪が傷む?
皆さんが思っている以上に髪は繊細です。
死滅細胞なので自己修復機能がなく傷んだ髪はもとに戻りません。
ですが傷む原因を知って少し気を使うだけでなるべく傷まない髪を育てることは可能です。
カラー・パーマなどの施術
カラーやパーマを繰り返すと髪が傷んでしまうことは皆さん知っておられると思います。
健康な髪は弱酸性でできています。
そこにアルカリ性の薬剤を入れるとキューティクルが開いて薬剤が浸透し、髪がアルカリ性になって発色したりカールしたりする仕組みです。
アルカリ性で無理に開いたキューティクルは損傷を受け、薬剤は髪内部の組織も破壊しているため髪は必ず傷んでしまいます。
もし薬剤が酸性であればキューティクルが開かないので髪は染まりません。
施術後は薬剤を使用した髪にはアルカリが残留するため弱酸性にすぐには戻りません。戻るまでの間、髪はアルカリによってダメージを受け続けます。
一回の施術ではそこまでのダメージは感じませんが、繰り返すことによりキューティクル、内部ともにダメージが進行します。
ですので、施術の頻度はできれば少なくするのをオススメします。
シャンプーの洗浄成分
市販のシャンプーには洗浄成分である界面活性剤が入っています。
界面活性剤は頭皮と髪に必要な皮脂まで落としてしまい、使い続けると髪にダメージに繋がります。
界面活性剤の中でも高級アルコール系のシャンプーは泡立ちがよくすっきり感がありますが、
洗浄力が強くダメージに繋がるので避けたいところです。
避けたい成分は、
・ラウリル硫酸ナトリウム
・ラウレス硫酸ナトリウム
・オレフィンスルホン酸ナトリウム
などです。
刺激の強すぎる洗浄成分は頭皮と髪を乾燥させ、髪だけではなく頭皮の状態を悪くする恐れもあります。
解決方法としてはアミノ酸系のシャンプーなど洗浄成分の弱いシャンプーを使用し、
できるだけ頭皮と髪への負担を減らしましょう。アミノ酸シャンプーは頭皮と髪への刺激は弱いですが、肌との親和性が高いため軽くすすぐだけではなかなか落ちません。すすぎが甘いと肌トラブルの原因になるため使う際にはしっかりすすぎ流してくださいね。
紫外線・乾燥
頭皮と髪はお肌と同じで紫外線と乾燥に弱いです。
紫外線によってタンパク質が破壊されるのも理由の一つですが、
紫外線が髪の中に入り込み、タンパク質を構成しているアミノ酸が酸化してコルテックスにダメージを与えます。
するとキューティクルが剥がれて水分やタンパク質が抜け、髪は乾燥しパサパサになってしまいます。
頭は一番紫外線に当たりやすいのでお肌と同じで日焼け止めのスプレーや帽子で紫外線対策をしましょう。
日にあたってしまった際は頭皮の保湿を行い乾燥を防ぎましょう。
頭皮から髪は栄養をもらっているので頭皮が乾燥してしまうと髪の成長の妨げになります。
摩擦
例えば、
・ブラッシング
・シャンプー
・タオルドライ
・寝返り
など私生活で普通に行っていることで髪を傷めてしまっています。
特に乾燥した髪の表面は凸凹しているためより摩擦を受けやすくなっています。
また、髪が濡れた状態で摩擦が起きるとキューティクルが開いたままダメージを負うのでコルテックスが破壊されやすくなります。
シャンプーはゴシゴシ行わずに優しく頭皮を揉むように行うと摩擦を軽減できます。
タオルドライに関しても同じです。
またブラッシングは粗目のブラシで優しく通しましょう。
細かめのコームなどで絡まりを無理やり取ってしまうと枝毛や切れ毛の原因になるので、
もしコームを使う場合はまず粗目のブラシで通してから使用してくださいね。
熱
先に言ったとおり髪は8割タンパク質でできています。
タンパク質は熱をあたえると、熱変性を起こします。
それは何かというと、卵やお肉で考えてみてください。
卵とお肉はタンパク質でできていて、熱すると固くなり生の状態に戻らないですよね。
それと同じ原理で髪も熱をあたえると固くなって柔らかい毛には戻りません。
タンパク質が熱されるとタンパク質が集まってあちこちに穴ができます。
この穴をダメージホールといいます。(図:ダメージホールから栄養が抜けていく)
ダメージホールから水分や栄養が流れ出て髪は固くなり動きのない髪になります。
ですからドライヤーを同じところに10秒以上当て続けたり、
160度以上のアイロンで髪に当てたりするのは控えましょう。
強く挟んで同じところの通すのも摩擦と熱で髪がダメージを大きく受けるのでNGです。
濡れた髪の場合、熱変性は60度から始まるのでヘアアイロンは絶対に乾いた髪に使用してくださいね。
間違った髪の乾かし方
髪は濡れた状態が一番デリケートです。
生乾きの状態での放置や、自然乾燥はキューティクルが開いたまま乾燥してしまうので、
水分が蒸発して髪は乾燥してしまいます。
しっかりタオルドライをしてからすぐにドライヤーで乾かしましょう。
他にも生乾きや自然乾燥は雑菌が繁殖しやすいので頭皮の炎症にも繋がります。
頭皮の状態が悪いと髪の成長の妨げになるので注意してくださいね。
不規則な生活
栄養が偏った食事や睡眠不足、運動不足は新陳代謝を下げ、髪に十分な栄養が行き渡らない場合があります。
髪に必要なタンパク質は身体の中で生成できないので、バランスの良い食事で口から摂取しなければいけません。
また睡眠不足は健康な髪が生えてくるための成分が寝てる間に活発に働くため、十分な睡眠をとるように心がけましょう。
トリートメントで髪が修復はありえない!
傷んだ髪にはトリートメントをすれば髪が修復されると思っていませんか?
痛む→トリートメント(きれいになる)→元よりもきれいな髪→トリートメント(前回よりもきれいになる)というどんどん良くなるイメージですが、
実際は、傷む→トリートメント(髪が元通りにみえるだけ)→前よりも傷む→トリートメント(図:負のサイクル)
みたいにトリートメントのせいで悪循環になります。
最近ではいかにも髪が治るような商品がたくさん売られています。
そのせいか、傷んだ髪はトリートメントで治るから大丈夫と思っている方が多いですが、トリートメントはあくまでごまかしです。
トリートメントに傷んだ髪を修復する力はありません。
むしろトリートメントを過剰にしてしまうと髪を傷ませる原因になります!
トリートメントはコーティング剤
トリートメントとは髪の表面をコーティングして皮膜を張って、手触りを良くしたり艶を出したりするものです。
メイクで言うと、ファンデーションと同じ役割です。
ファンデーションは肌がきれいに見えるようにカバーしてくれるコーティング剤です。
そしてファンデーションをしたときは必ずクレンジングで落としますよね。
ですがトリートメントはシャンプーをしたあとに塗ります。
洗顔(シャンプー)のあとにファンデーション(トリートメント)をしていると考えて良いでしょう。
毎日トリートメントをしてしまうと膜が層になって蓄積してしまいます。
メイクやネイルを落とさずに過ごしていると肌や爪が傷んでしまうように、髪も傷んでしまうのです。
シャンプーの後は保湿
じゃあトリートメントがだめならどうやってケアをしたら良いの?と思いますよね。
トリートメントが絶対にダメなわけではありません。過剰に皮膜を張り続けた状態でいることが髪にとって良くないのです。
シャンプー後の髪はすっぴんと同じ状態です。
お肌と同じで、すっぴんの髪には保湿が必要です。トリートメントの頻度を少なくして、まずは日々の保湿からはじめてみましょう。
髪専用の保湿剤・化粧水が売られているので試してみてくださいね。
トリートメントをするとしても頻度は3日に1回ほどにしてください。
トリートメントをすると手触りと見た目が良くなるので惑わされてしまいますが、
やりすぎると髪に負担がかかると知っててくださいね。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
日常で普通にしてしまっていたことが髪を痛める原因を作っていしまっているのです。
ですが少し気を使うだけで健康な髪を生やすことができるし、傷まないように工夫することもできます。
トリートメントに頼ってその時だけ手触りと見た目が良くても、髪を傷めてしまっては意味がありません。
根本的に健康な髪を育てるほうがきれいな髪をキープできるんです。
トリートメントについてはまた他の記事で深くお話しようと思いますので、
今回は生活で美しい髪にするための方法をご紹介しました。
我々美容師としては髪を綺麗にしてあげたい、髪でおしゃれを楽しんでほしいという気持ちが大きいです。
ですからおしゃれを楽しむためにも日頃のケアは必要不可欠です。
是非記事を参考にしていただいて正しいヘアケアでダメージを抑えて美しい髪を育てましょう!
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