本日のケアはダメージケアについて
皆さんダメージケアに必要なモノってなんだと思いますか?
トリートメント?栄養?わかめ???いいえ水です。
髪が傷んでいるからといってやみくもにトリートメントをしても改善はされません。
この記事を読めばダメージケアに必要な事とは何か、水=水分がいかに重要なものであるかを知ることができ、適切なケアができるようになりますよ。
水=水分の重要性についてわかりやすく枝に例えてみましょう、
生きている水分豊富な枝ってなかなか折れませんよね?弾力があってしなやかです。
では枯れてカラカラになった木はどうでしょう?簡単にポキっと折れてしまいますよね?
髪の毛も同じなんです、水分が少ない髪は非常にもろくダメージを受けやすくなります。
言い換えれば、水分が多い髪は【ダメージを受けにくくなる】ということです。
でもダメージケアって言いましたよね?ダメージを受けにくくなる事とは別のことなんじゃ??って思いましたか?
ではダメージケアって一体何なんでしょうか?
トリートメントで栄養補給??
実際トリートメントで行っている事は髪の成分に似たタンパク質やその他様々な成分でダメージホールを補うわけですが、それらが髪の中で果たす役割は
無くなってしまった髪の成分(タンパク質)の代わりに水分を抱え込む・逃さないことなんです。
ダメージケアとして行っているトリートメントはダメージを受けにくい髪質づくりと同じことなんですね、そのために必要なものが「水」(水分)となるわけです。
それでは髪と水の関係についてわかりやすく解説していきましょう。
髪の成分
髪の成分はご存知の通りタンパク質が80~85%と1番多く含まれています。
次いで水分11~13%。脂質1~6%、メラニン4.5%となっています。
この髪に含まれる水分の11~13%ですが、全てが同じではありません、実は同じ水分でも役割が異なります。
髪の水分には種類がある
髪にもともとある水分ってどんなの?
健康な髪にはもともと一定の水分を保持する力が備わっています、保持された水分を12%と仮定するとその内の5%が結合水、7%が自由水に分かれています。この二種類の水分が髪を乾かしてもバランス良く髪にとどまっているおかげで髪にしなやかさや艶を生みます。
『結合水』
健康な髪に留まる約12%の水分のうち5%が結合水です。
結合水は髪の内部組織をくっつけて形を維持する働きがあります。
その性質から湿度や温度に影響されず髪に留まることができます。
200度のアイロンをあてても蒸発せず髪に留まり、0度以下の低温で凍る事もありません。
ですが髪がダメージを受けると結合水の量は低下し髪の水分量は低下していきます。
『自由水』
12%の水分のうち残りの7%が自由水です。
自由水は湿度や温度の変化に影響を受けて髪から出たり入ったりを繰り返します。
エアコンで乾燥したり湿気で髪がうねったりするのは、この自由水が少なくなったり多くなったりする影響なんですね。
水分とダメージ
髪はダメージを受けると内部に穴(ダメージホール)ができ、そこから結合水や自由水は出ていってしまいます。
(図:髪の断面)
水分が減ってしまうと髪は当然乾燥します、そして乾燥した髪はもろくなりダメージを受けやすくなります。
ダメージを受けたから結合水が減るだけではなく、結合水が減ったために髪がもろくなりダメージが進むという現象も起きるんです。
内部組織をくっつけているいわば接着剤とも言える結合水がなくなれば髪の組織がバラバラになっていくのは当然ですよね。常にダメージと水分は連動しているというわけです。
髪を濡らすと水分量は上がる?
髪の水分が減ればダメージになる、、、「じゃあ髪を濡らせば水分量が上がるんじゃないの?」って思いませんか?
確かに髪を濡らしたときの髪の水分量は約30%にまで上昇します。これは健康毛でもダメージ毛でも吸収する水分量は変わりません。
ですが結合水と自由水は増えないんです。
濡らせば髪にくっついている水分はたしかに多くはなります。
しかしダメージ毛の場合、結合水と自由水はすでに減っている状態、、
髪にくっついている水=吸着水の量が増えているだけなんです。
『吸着水』
髪を濡らして髪に入る水分は吸着水というもの。
吸着水は結合水と逆の性質で、濡らすと髪の組織にくっついて、ドライヤーで乾かすと簡単に蒸発する水分を指します。
入ってきてもドライヤーの熱などで簡単に出て行ってしまうので髪には残りません。
吸着水が多い髪は湿度が高くなると広がりやうねりが出やすくなります。
ダメージでうねってしまう理由はここにあるわけです。
吸着水が多くなると乾燥させるのにも時間がかかるので、結果的にドライヤーの時間が長くなり熱で髪が硬くなったり(熱変性)、オーバードライ状態になり、さらにダメージが進むという残念な結果になるだけなんですね。
このケアだけは絶対やめて!トリートメントは負のスパイラル
ダメージを防ぐためにすることとと言えばトリートメントですよね?
美容室でカラーやパーマの後に行うトリートメントや市販品で売られているトリートメントは手触りをよくするために髪表面にコーティングを施すものがほとんどです。
手触りや見た目は確かによくなります、しかしコーティングタイプのトリートメントは髪内部を補修する効果も無ければ水分量を上げる効果もありません。
それだけならよいのですが、、、コーティングは髪に残っているカラー・パーマの薬剤の残留を長引かせてしまうので一大事です、、、ずっと髪に薬剤が残されている状態!
すると髪のダメージになるのがわかりますよね。ダメージが進めば結合水はもちろん減ってしまいます。
過剰なコーティングトリートメントが薬剤の残留を促す=ダメージを進行させる=結合水をへらす=乾燥
という負のループになってしまうのです。
適量なら摩擦から守るためにはいいところもありますが、、ダメージ毛にも健康毛にも手触りばかりを重視したトリートメントはオススメできません。
トリートメントについては他の記事で詳しくお話しているので、こちらを参考にしてみてくださいね。
成分を補って、脱乾燥!
残念ながら減ってしまった結合水と自由水の量は元に戻ることはありません。
そのまま放っておくと乾燥してしまいダメージは進んでしまうので保湿をして髪を護りましょう。
結合水と自由水が減った部分を代用品で補い保湿をしましょう。
頭皮用化粧水で保湿しよう
シャンプー後の保湿はコーティングトリートメントではなく頭皮用の化粧水で保湿してあげましょう。
肌に良いとされるコラーゲンやヒアルロン酸、その他頭皮の保湿に使われる成分は髪の表面で水分を抱え込み乾燥を防いでくれます。
カラーやパーマでダメージを受けた頭皮は乾燥してしまいがち、乾燥が続くと生えてくる髪もやせ細り乾燥してしまいます。
頭皮をしっかり保湿してあげることで水分をしっかり含んだ健康な髪が生えてきますよ。
CMC・リピジュア・エルカラクトン・ペリセアが配合されたヘアケア商品を使おう
■CMC
水の出入りを調整し、結合水と自由水の代わりに髪を保湿してくれる成分です。
CMCは分子がとても小さくすぐに流れ出てしまうため効果が出にくい成分でもあります。
毎日のケアでしっかり補給し続ける事が重要、アウトバストリートメントが最も効果的!
■リピジュア
ヒアルロン酸の約2倍とも言われる保湿成分、洗い流しても保湿性が保たれると言われているほど効果が高い。
生体適合性が高く、肌にも優しいことが一番の特徴。
髪の表面にくっつき水分を逃さないようにして髪に潤いを与えてくれます。
シャンプーやトリートメントに配合されています。
成分表示名:ポリクオタニウム-〇〇(51・61・64・65いずれかの番号が入ります)
■エルカラクトン
髪のタンパク質にくっつきCMCと同じ働きをしてくれます。
すすいでも髪に残りやすく、熱に反応して髪内部により定着、「うねり」や「癖」を改善し、「ハリ」「艶」を出します。
ミストタイプのトリートメントや内部補修トリートメントに含まれている場合が多いので是非試してみてください。
成分表示名:γ-ドコサラクトン
■ペリセア
毛髪ダメージ改善効果に優れ、すばやい浸透性と、高い持続性が特徴。
髪内部の水分量を高め結合水の量も回復させる効果がある。
シャンプーで洗い流しても髪にとどまり、内部補修効果が非常に高い。
原液がもっともおすすめ、次にシャンプーに配合されている製品がおすすめです。※トリートメントの場合は効果が低い可能性あり
成分表示名:ジラウロイルグルタミン酸リシンNa
※リピジュアは(-)、トリートメントの成分は(+)です。
髪に付着する前に混ざってしまうと、混ざった時点でくっつきあってしまうので髪に対する作用は無くなってしまいます。
シャンプーをして流す→リピジュアをつける→流さずにトリートメント塗布→流す
が理想的な工程です。
ダメージ毛にはトリートメントをしないほうがいいとお話しましたが、それはコーティングタイプのトリートメントを頻繁にしてしまうと髪にダメージになってしまうからです。トリートメントを使うならば、過剰にコーティングしない内部補修を重視したトリートメントを使ってくださいね。
コーティングトリートメントはダメージを進行させる
内部補修トリートメントはダメージの進行を抑制する
と覚えておきましょう!
今回は水分量をキープするためのヘアケアについてお話しましたが、日頃から簡単にできるヘアケアについても他の記事で紹介していますので是非参考にしてみてくださいね。
まとめ
いかがでしたか?
髪には身体と同じで水分が必要だとおわかりいただけたでしょうか。
減ってしまった水分はもとに戻ることはありません。
そして一度ダメージしてしまった髪も元には戻りません。
ですが水分や成分を補って保水するといったサイクルを定着させることで髪の水分量をキープすることは可能です。
ダメージを更に進行させるのではなく、ダメージを止めてあげる必要があります。
当店では髪の水分量をキープするために浸透率の高い頭皮用化粧水をすべての施術に使用しております。
乾燥毛・ダメージ毛に悩んでいる方も諦めないでケアしてみてください。
水分量をキープして一緒に健康毛を目指しましょう!
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